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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻3号

1998年03月発行

文献概要

臨床経験

MRSA脊髄硬膜内膿瘍の1例

著者: 恒川博巳1 本間信吾1 奥村潤一郎1

所属機関: 1市立札幌病院整形外科

ページ範囲:P.369 - P.371

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 抄録:持続硬膜外ブロックが原因でMRSA硬膜内膿瘍を引き起こし,対麻痺に至った症例を経験した.症例は51歳男性,近医で持続硬膜外ブロック開始後に発熱,腰背部・両下肢激痛,両下肢麻痺,膀胱直腸障害を生じ,当院に搬送された.経過と画像所見より硬膜外膿瘍や硬膜外血腫を疑って手術を繰り返したが,症状・全身状態とも悪化した.髄液所見と創部からの排膿のため,硬膜切開をしたところ,内部に膿が貯留していた.排膿・ドレナージ,抗生物質投与などを行い炎症は鎮静化したが,両下肢は完全麻痺となった.
 脊髄硬膜内膿瘍は,非常に稀で術前の確定診断も難しいため,その存在を念頭に置いて検査を進め,必要なら硬膜切開も考慮すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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