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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

脊椎手術後に発症した肺血栓塞栓症の臨床的検討

著者: 米倉徹1 岡島行一1 高橋寛1 新井克佳1 茂手木三男1

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科

ページ範囲:P.393 - P.399

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 抄録:1993年1月から1996年12月における脊椎手術後発症の肺血栓塞栓症9例について臨床的特徴を検討した.発症頻度は2.3%(男性1.6%,女性3.4%)であり,各年代に発症していたが,特に70歳代(全例男性)の発症頻度が高かった.手術高位,進入経路および固定術併用の有無と発症頻度とは無関係であった.術前のBody Mass Indexが24以上の肥満例に発症頻度が高かった.発症時期は術後最初の体位交換後が5例,離床直後が4例であった.前駆症状では感染徴候を伴わない発熱および頻脈,臨床症状では呼吸困難および胸痛,血液生化学的検査所見では白血球の軽度増加,LDHおよびD-dimerの上昇などが特徴的であった.肺動脈造影の欠損像および縮小像により確定診断が得られたが,3次元肺血流シンチグラムはスクリーニングに有用であった.7例は軽快したが,死亡および抗凝固剤による馬尾神経麻痺を各1例に認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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