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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

腰椎MRIにおけるblack lineの解剖学的,臨床的検討

著者: 岩渕真澄1 菊地臣一1 佐藤勝彦1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.401 - P.406

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 抄録:解剖遺体と椎間板ヘルニア症例を用いて,MRIにおけるヘルニア腫瘤周囲の帯状無信号領域(以下black line)の本態とその臨床的意義についての検討を行った.基礎的実験では,解剖遺体3体から腰仙椎を一塊として摘出し,後縦靱帯の切除前後でMRIを撮像した.また,臨床的検討では,腰椎椎間板ヘルニアを有する10例に対してMRIを撮像した.MRIの撮像は,解剖例の1例と臨床例の全例に対し,通常の撮像とエンコード軸を入れ替えた撮像を行った.後縦靱帯切除後のMRIでも3例全例に椎間板後方部にblack lineが認められた.エンコード軸を入れ替えて撮像した1例でblack lineの途絶像が認められた.また,臨床例でもエンコード軸の入れ替えによって,black lineの連続性があった6例中5例で,その途絶像が認められた.以上の結果から,black lineはchemical shift artifactと考えられた.従って,black lineの連続性の有無によって,後縦靱帯穿破を鑑別することの診断的価値はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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