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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

脊髄神経根除圧操作に対する内視鏡脊椎手術の検討―胸腔鏡,後腹膜腔鏡視下腰椎外(内)側アプローチと椎間孔鏡視下神経根除圧を中心に

著者: 出沢明1 三木浩1 山根友二郎1 榊原壌1 山川達郎2

所属機関: 1帝京大学溝口病院整形外科 2帝京大学溝口病院外科

ページ範囲:P.407 - P.418

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 抄録:内視鏡脊椎手術は2次元でのモニター画面での深度覚(deep perception)が欠如し易いために除圧をする範囲と深さがわかりにくい.また,拡大画像での手指―視覚協同運動(eye-hand coordination),臓器触知感覚(tactile sensation)の低下で除圧操作の程度がわかりにくいと言う危惧がある.そこで切離や固定のみの手技は問題が少ないが,細かな手技や3次元での臓器認識が必要となる除圧操作の可能性には様々な疑問が残る.そこでこの問題点を検討した.
 われわれは1995年6月より脊椎前方手術に胸腔鏡,腹腔鏡の内視鏡を導入し39例施行してきた.13例は胸腔鏡であり,23例は後腹腔鏡,3例は経腹腔鏡である.胸腔鏡は肋骨頭を切離し椎弓根を一部切除することにより脊髄の除圧は比較的従来法より安定した確実な視野が保てる.腹腔鏡での除圧操作に様々な工夫が必要である.上位腰椎に対しては後腹膜腔よりの展開が安全で周術期管理がやりやすく一般に認められた手技である.そして剥離後の腔の維持にはCO2ガスを注入し腔を維持する気腹法が一般的である.しかし,われわれは初期の2例以外はコストや海綿骨露出状態での高二酸化炭素血症の問題の解決のためにガスを用いない吊り上げ式後腹膜腔鏡視下アプローチを施行している.脊柱管内の除圧操作は通常の大腰筋を後方へ展開しアプローチする操作であったが神経根までの除圧が不十分であることは否めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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