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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

頚椎後縦靱帯骨化症の臨床経過と脊髄症状発現機序について

著者: 久木田信1 松永俊二1 永野聡1 川畑了大1 酒匂崇1

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科

ページ範囲:P.419 - P.423

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 抄録:頚椎後縦靱帯骨化症の臨床症状の推移を静的圧迫因子と動的因子の関係から脊髄症状発現の機序について検討した.対象は,平均11年2カ月追跡調査した保存経過観察症例167例と,初診時に脊髄症状を呈し手術を施行した80例の計247例である.経過観察中に脊髄症状が発現したり増悪したものは167例中37例であった.脊髄症状を認める群の最小残余脊柱管径は認めない群より有意に小さく,また最小残余脊柱管径が6mm未満で全例脊髄症状を呈し,14mm以上ではみられなかった.最小残余脊柱管径が6mm以上14mm未満の症例は脊髄症状の有無と最小残余脊柱管径に相関は認めず,頚椎全可動域が脊髄症状を認める群で有意に大きかった.このことから骨化靱帯による病的圧迫は一定の臨界点を超えると脊髄症状を惹起する最も重要な因子であるが,それ以下の状態では動的因子の関与が大きいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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