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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

脊髄腫瘍非手術例の検討

著者: 鎌田修博12 戸山芳昭1 松本守雄1 市村正一1 鈴木信正1 藤村祥一1 福井康之1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2けいゆう病院

ページ範囲:P.433 - P.437

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 抄録:MRIの普及により自覚症状の軽微な脊髄腫瘍が発見され,手術適応に躊躇する例が増えている.そこで今後の対応の一助とするため,手術を行わずに経過を観察した脊髄腫瘍17例の臨床像と画像所見,臨床経過を検討した.腫瘍の横断位占拠部位は硬膜内髄外6例,髄内と砂時計腫が各4例などで,その占拠高位は頚髄および脊髄円錐部以下に多く,病理組織学的には神経鞘腫11例,神経線維腫2例などであった.自覚症状は無症状5例,疼痛のみ7例などで,軽度の神経学的異常所見を髄内腫瘍3例にのみ認めた.自覚症状の経過は,改善1例,変化なし15例,悪化1例で,他覚的に神経障害の悪化をきたした例はなかった.以上より,症状のきわめて軽微な脊髄腫瘍では,臨床像と画像所見を検討し,インフォームドコンセントを得た上で,経過を観察することも選択肢の1つと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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