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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

脊髄微小血管系の三次元構築についての研究

著者: 張澤安1 秋間道夫1 野中博子1 羽鳥努1 長山正史1 伊原文恵1 岡島行一2 茂手木三男2

所属機関: 1東邦大学医学部第一病理 2東邦大学医学部整形外科

ページ範囲:P.445 - P.452

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 抄録:ヒト脊髄の血管鋳型標本,透徹標本および毛細血管染色標本を作成し脊髄の微細血管系の三次元構築について検索した.前脊髄動脈の脊髄表面への分枝は細く少ないが,前脊髄静脈の脊髄表面への分枝は太く多い.脊髄表面の軟膜血管叢の密度は胸髄で一番疎である.中心動脈は波状に,中心静脈はまっすぐに前正中裂を走り,その密度は仙髄>腰髄>頚髄>胸髄の順である.辺縁動脈の分布範囲は灰白質辺縁部までであるが,辺縁静脈は灰白質内部にも分布している.静脈系の髄内吻合,特に中心静脈と後内側,後外側静脈との間の吻合が少なくない.脊髄内部には中心血管系と辺縁血管系両者の共通分布域が見られる.大部分の灰白質は中心,辺縁両系静脈の支配を受けているので,脊髄の静脈性循環障害では灰白質は侵されにくく,主に白質に影響を与えるが,灰白質の循環障害性病変は動脈障害によるものが多いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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