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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

馬尾性間欠跛行における馬尾弛緩の臨床的意義

著者: 川上守1 玉置哲也1 吉田宗人1 林信宏1 安藤宗治1 松本卓二2 山田宏3 浜崎広洋3

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2恩賜財団済生会和歌山病院整形外科 3国保橋本市民病院整形外科

ページ範囲:P.471 - P.477

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 抄録:馬尾性間欠破行を呈した腰部脊柱管狭窄症手術例44例を対象とし,脊髄腔造影前後屈側面像における馬尾弛緩変化と臨床像,手術成績,馬尾弛緩の程度,脊髄腔狭窄変化の関係を検討した.脊髄腔造影正面像で馬尾弛緩が33例,側面像で30例に認められた.脊髄腔造影側面前屈像で馬尾弛緩が消失した症例は19例,不変のものは11例であった.馬尾弛緩の有無,動態像での変化と年齢,性,診断名,手術方法,罹病期間,術前JOA scoreならびに腰椎可動域には有意な関連はなかった.馬尾弛緩の有無は改善率に影響を及ぼさなかったが,馬尾弛緩が重篤で脊髄腔造影の動態側面像で馬尾弛緩が不変の症例は有意に改善率が不良であった.脊髄腔造影前後屈での造影剤通過性変化は手術成績に影響を及ぼさず,馬尾弛緩の有無や前後屈での馬尾弛緩変化とも関連はなかった.術前動態脊髄腔造影で馬尾弛緩とその変化を観察することで手術成績を予測し得る可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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