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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

胸椎後縦靱帯骨化・黄色靱帯骨化合併症に対する前方・後方アプローチによる脊髄全周除圧術

著者: 川原範夫1 富田勝郎1 水野勝則1 新屋陽一1 村上英樹1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.479 - P.485

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 抄録:後縦靱帯骨化症(OPLL)と黄色靱帯骨化症(OYL)合併例による胸椎部脊髄症に対して,富田は脊髄を圧迫している骨化巣を全周性に切除する脊髄全周除圧術(circumspinal decompression)を考案した.これはまずステップ1として後方進入にてOYLを切除し,さらに側方の骨化巣切除を行うとともにOPLLの広がりに一致した左右のgutterを作製する.ステップ2として前方進入にて開胸を行い,ステップ1で作製したgutterを目安にしてOPLLを切除し,椎体間固定を行うものである.本疾患に対して脊髄全周除圧術を行った15例中14例に術後麻痺の改善を認め,その日本整形外科学会点数は術前3.6点から術後8点と著明に改善していた.この方法は従来の前方除圧術あるいは後方除圧術のみの場合に比べて明らかに神経学的症状の改善の点で優れており,万全の体制のもとに堅実に行えば,この重篤な疾患の有望な解決策となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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