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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

培養脊柱靱帯細胞に対するBMP-2と他の細胞成長因子の相互作用

著者: 後藤憲一郎1 山崎正志1 金民世1 寺門淳1 茂手木博之1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.549 - P.556

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 抄録:培養脊柱靱帯細胞に対するBMP-2および他の細胞成長因子の相互作用を,骨形成系細胞への分化度と細胞外基質合成能について検討した.BMP-2は,単独で骨化症由来細胞(OL細胞)の骨形成系細胞への分化を誘導するが,この作用をIGF-1は相乗的に促進し,bFGFは抑制した.このことより,脊柱靱帯細胞が骨形成系細胞へ分化する際には,BMP-2のみが単独で作用するのではなく,IGF-1は促進的に,bFGFは抑制的にBMP-2の作用を制御している可能性が考えられた.また,BMP-2は,単独でOL細胞の基質合成量を増大させる場合があり,この作用もbFGFにより抑制された.したがって,BMP-2が細胞外基質合成にも関与し,この作用もbFGFにより調節を受けている可能性が示唆された.このように脊柱靱帯の骨化が発生・進展していく過程では,多くの細胞成長因子が相互に作用していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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