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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

細胞生物学的手法を用いたOPLLの成因解析

著者: 山崎正志1 金民世1 後藤憲一郎1 寺門淳1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.567 - P.572

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 抄録:OPLL症例16例および非骨化症例13例の脊柱靱帯細胞(OPLL細胞およびnon-OPLL細胞)に対するBMP2,TGF-β1,bFGF,IGF-1の作用を培養系で解析した.検討したほぼ全てのOPLL細胞においてbFGF,IGF-1はDNA合成を,TGF-β1,IGF-1はコラーゲン合成を促進させた.約半数のOPLL細胞においてBMP2はALP活性を上昇させた.一方,non-OPLL細胞におけるBMP2作用後のALP活性は,全ての細胞で不変であった.OPLL症例の脊柱靱帯において各細胞成長因子が過剰発現しているという従来の報告と併せると,各因子はそれぞれ特有の機序で靱帯細胞の増殖,基質合成,分化を調節し,骨化に関与していると推察された.また,OPLL症例の一群ではBMP受容体/シグナル伝達機構の異常を基盤とした骨化の発生進展機構が存在すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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