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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)

発育期脊椎分離症のすべり進展メカニズムの生体力学的検討

著者: 西良浩一1 井形高明1 加藤真介1

所属機関: 1徳島大学医学部整形外科 2

ページ範囲:P.581 - P.584

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 抄録:腰椎分離症が発育期にすべり症へ進展するメカニズムを幼若仔牛屍体腰椎を用い生体力学的に検討した.腰椎可動区分にpars defectsを作製したL群と,pars defectsに加え線維輪の前方75%を切離したAL群の2種類のモデルを作製し,これら脊椎の頭側椎体に前方剪断負荷を与え破損に至らせた.破損負荷量は,L群,AL群で,それぞれ,973.8±78.1,986.8±124.2(N),変位量は,それぞれ,9.6±0.6,11.1±2.3(mm)であり,両群には有意差はなかった.破損部位は,L群,AL群ともに尾側椎体上方部の成長軟骨部で生じた.以上より,幼若分離腰椎のweakest-linkが成長軟骨部であることが明らかとなった.以上の結果は,発育期の分離すべり症は,成長軟骨部すなわち骨性終板と軟骨性終板との解離により発生すると考えられ,従来考えられていた椎間板部でのすべりではないことが生体力学的に示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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