icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻5号

1998年05月発行

文献概要

論述

亜脱性変形性股関節症に対するCharnley型人工関節の長期成績―臼蓋側骨移植の適応に関する考察

著者: 稲尾茂則1 松野丈夫1 後藤英司1 寺西正1 安藤御史2

所属機関: 1旭川医科大学整形外科 2帯広協立病院整形外科

ページ範囲:P.609 - P.614

文献購入ページに移動
 抄録:臼蓋形成不全を有する股関節に対して,骨移植をせずにいわゆる改良セメント手技により原臼位設置を行ったCharnley型人工臼蓋の10年以上の長期臨床およびX線評価を行った.症例は23例27股(女性22例25股,男性1例2股)で,手術時平均年齢は63歳(48~72歳),平均経過観察期間は12年4カ月(10年~14年4カ月)であった(経過観察率100%).術前のCrowe分類では,グループⅠが22股,グループⅡが4股,グループⅢが1股であった.臨床評価は,非常に満足するものであり,X線評価では,ソケットの機械的弛みが2股(7%)のみに見られた.本研究により,ソケット上外側端のセメントの厚さ,すなわち骨欠損の高さが20mm未満であれば,フレンジ・ソケットを用いた現在のいわゆる改良セメント手技により,骨移植をせずとも10~15年の良好なソケットの原臼位固定が期待できることが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら