icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻5号

1998年05月発行

文献概要

整形外科基礎

フィブリン糊がチタニウムファイバーメッシュメタルへのbone ingrowthに与える影響―組織形態学的検討

著者: 曽田是則1 黒瀬靖郎2 山中威彦2

所属機関: 1庄原赤十字病院整形外科 2広島県立身体障害者リハビリテーションセンター整形外科

ページ範囲:P.643 - P.647

文献購入ページに移動
 抄録:セメントレス人工関節手術の出血対策にフィブリン糊が有効との報告が散見されるが,インプラントと骨との介在物となりbone ingrowthを阻害するのではないかという疑問が生じる.そこで,ポーラスタイプ人工関節に使用されているチタニウムファイバーメッシュ(TFM)内へのbone ingrowthのフィブリン糊による影響を組織学形態学的に検討した.日本白色成熟家兎24羽を使用し,膝関節面よりチタン製plugをpress fitの状態で骨孔に挿入(Ⅰ群),plugのTFM部にフィブリン糊を塗布した後,対側の骨孔に挿入(Ⅱ群)した.術後2,5,6,13週時に屠殺し切片をトルイジンブルー染色,光学顕微鏡にて各群,各週時で比較検討した.新生骨面積占拠率,最大進入深度ともに両群とも経時的に増加していたが,両群間での有意な差は認められなかった.本研究より,出血対策に使用されるフィブリン糊はbone ingrowthには影響を及ぼさず,安全に使用しうるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら