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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻5号

1998年05月発行

文献概要

連載 リウマチ―最新治療のポイントとその留意点・7

足部関節罹患への対応

著者: 井口傑1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.649 - P.654

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 抄録:リウマチ様関節炎(以下リウマチと略す)が足部の関節に初発することは少なくはなく,手部と同様である.主な変形は外反扁平足と開張足を伴った外反母趾,中足基節間関節(MTP関節)の脱臼と槌趾である.荷重と靴の圧迫による障害が特徴で,変形は胼胝や潰瘍を生じ,特に中足骨骨頭部では足底の皮下脂肪の退縮も伴って疼痛を生じる.荷重位での診察,X線写真が重要で,変形が可逆的な間に診断治療せねばならない.保存療法は足底挿板による圧の分散とロッカーボトムによる安静が中心となる.前足部の手術はMTP関節切除術,後足部は三関節固定術が主で,母趾のMTP関節,距舟関節,足関節などの固定術も行われる.リウマチが全身性の疾患で,足部は支持と歩行を司る下肢の一部であることを忘れずに治療計画を立てることが肝心である.また,リウマチ患者の機能が変形に比べて良好なことも忘れてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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