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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻5号

1998年05月発行

文献概要

臨床経験

足部の多発骨折を伴う舟状骨底側脱臼骨折の1例

著者: 合田泰幸1 鄭昌吉1

所属機関: 1東神戸病院整形外科

ページ範囲:P.691 - P.693

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 抄録:足部の多発骨折を伴う舟状骨底側脱臼骨折の1例を経験した.症例は58歳男性.土木作業中,後方より作業車(ユンボ)が接近し,コンクリートとの間にはさまれ受傷し,本院へ受診した.右足の変形著明で,右下腿後面には,広範な挫創を認めた.X線上,右舟状骨底側脱臼骨折・立方骨亀裂骨折・足関節両踝骨折・脛骨関節面剥離骨折を認めた.治療は,脱臼骨折に対しては徒手整復後にKirschner鋼線にて固定した.後日,足関節両踝骨折に対しては内固定を,広範な挫創に対しては遊離植皮を行った.足舟状骨脱臼骨折は,比較的稀な外傷である.その中でも底側脱臼骨折は,背側脱臼骨折に比べ,さらに稀であり,本邦では明らかな報告はない.本症例は,後方より足関節背屈強制位で足部縦軸方向に外力が加わり,さらに外反捻転力が作用して,舟状骨に底側への強い圧力が働くという通常では極めて起こりにくい受傷機転が働いたことによるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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