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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻5号

1998年05月発行

文献概要

臨床経験

Bony shellが消失したが悪性の腫瘍態度を示さなかった骨巨細胞腫の1例

著者: 浅野昌育1 石川忠也1 中島浩敦1 鳥居行雄1 日比敦夫1 柘植哲1 大澤良充1 呉和朗1 金康秀1 武田斉子1 山田順亮1

所属機関: 1名古屋第1赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.695 - P.699

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 抄録:X線像の骨巨細胞腫のbony shellの消失は悪性を意味するかどうか,われわれはCompanacciのいうaggressive GCTの臨床的意味を検討した.54歳男性の左膝外側の疼痛と腫脹で発見された左腓骨頭の巨細胞腫は“ちょうちん”様のX線像を示し,そのbony shellは大半が消失し,CT scanでもそれは確認された.内部の石灰化,骨膜反応もなかった.biopsy後総腓骨神経を含めた広範切除を行った.組織像はgrade 1 GCTだった.storiform patternもなかった.術後3年1カ月再発はない.
 推論として,骨巨細胞腫のbony shellはすべて消失の方向に進む.荷重骨では痛みが早期に起こりbony shellが保たれた状態で発見され,腓骨のように比較的荷重のかからない場合は痛みが起こらずbony shellの消失が進んでから発見される.ただ発見の時期の違いがあるだけであると考えた.bony shellの消失した骨巨細胞腫=高悪性度巨細胞腫の図式は成り立たないと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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