icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻6号

1998年06月発行

文献概要

論述

化膿性脊椎炎の現況と最近の特徴的な症例に対する対策

著者: 土井照夫1 宮内晃1 橋本一彦1 森俊陽1 山本利美雄1

所属機関: 1大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.727 - P.735

文献購入ページに移動
 抄録:最近,臨床の各分野で感染症が大きな問題となってきているが,脊椎外科の分野でも化膿性脊椎炎が増加し,特徴的な臨床像を示すものが現れてきた.その主な原因は悪性腫瘍患者,透析患者などいわゆるcompromised hostにおける発症が増加したことであり,そのほとんどが胸・腹部手術の術後感染などに引き続いて発症していた.脊椎自体の術後感染による脊椎炎も増加していた.これら脊椎炎では起炎菌にも変化がみられ特徴的な臨床像を呈して,新たな対応を必要とした.compromised hostの胸・腹部手術に続発したものはMRSA感染によるものが多く,ドレナージを主とした治療を行って良好な結果が得られたが,手術適応の問題など今後の大きな課題である.脊椎の術後感染によるものは脊柱管内の術前の病巣の残存,椎間板腔からの壊死組織の脱出などがあり,抗生剤の効果を確めて,後方からの神経除圧,椎間板腔および上下椎体の病巣切除,骨移植,pedicular screw固定で好結果を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら