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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻6号

1998年06月発行

文献概要

連載 リウマチ―最新治療のポイントと留意点・8

肘関節疾患への対応

著者: 正富隆1 越智隆弘1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪大学医学部整形外科

ページ範囲:P.737 - P.742

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 抄録:肘関節は慢性関節リウマチ患者上肢のリーチ機能に関して重要な位置を占め,その再建術は大きなADL改善をもたらす.荷重関節ではないため,可動性が維持されれば多少の疼痛残存や不安定性は容認される傾向にあるが,不安定肘は尺骨神経障害や疼痛の増悪を招き,その時点での再建術は患者への侵襲は多大なものとなる.リウマチの肘関節破壊の自然経過も明らかとなり,人工肘関節の手術成績も安定してきている現在,関節破壊と病型に応じた手術適応を再考すべきである.薬物コントロールの困難な骨破壊の軽度な症例に対する滑膜切除術については問題ないが,上腕骨滑車が充分に残存しない症例に対する滑膜切除術は除痛効果も短期で不安定肘をきたすため,bone stockを温存できるタイプの人工関節置換術を考えるべきである.また,ムチランス型や人工関節後のゆるみ例のような高度の骨欠損を有する症例に対しても,骨移植を併用した非制動型人工関節置換術の成績も良く,リウマチ肘に対して積極的により高度なゴールを目指した再建術を考慮すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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