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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻6号

1998年06月発行

文献概要

臨床経験

病巣掻爬術単独による指趾内軟骨腫の治療成績

著者: 牧範聡12 伊崎寿之1 冨士川恭輔1

所属機関: 1防衛医科大学校整形外科 2自衛隊富士整形外科

ページ範囲:P.767 - P.770

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 内軟骨腫に対する治療は病巣掻爬および骨移植術が一般的である.今回われわれは,指趾内軟骨腫に対し骨移植を行わずに病巣掻爬術のみを施行した症例を経時的に観察し検討した.適応は少なくとも1側の骨皮質が残存しており,重作業に従事していない症例とした.対象となった症例は指趾内軟骨腫10例で,全例単発性であった.術後は外固定を行わず,抜糸後は日常生活での使用を許可した.術後2~4ヵ月で単純X線写真上骨新生が明らかとなり,6~9ヵ月で腫瘍掻爬部全体が新生骨で満たされた.病巣掻爬術単独で行う本法の長所は,採骨による侵襲がないこと,人工骨などの異物を用いないことなどが挙げられる.一方,短所は術後に骨の強度低下が危惧されることが挙げられる.今回,掻爬部に大きな外力が働く恐れのある症例や骨強度の著しい低下が予想される症例を除外することにより,指趾内軟骨腫は病巣掻爬術単独でも治癒が可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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