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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻6号

1998年06月発行

文献概要

臨床経験

著明な外旋転位を呈した新生児上腕骨近位骨端離開の長期追跡例

著者: 山崎智1 小川清久1 浪花豊寿1 宇井通雅1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.779 - P.782

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 抄録:著しい外旋転位をきたした新生児上腕骨近位骨端離開を12年間追跡した結果,回旋転位の矯正とADL上の著しい改善を認めた.症例は単殿位分娩の際,臍帯が絡まって右上肢挙上位で出生した生後14日目の女児である.初診時,右上肢は外転外旋位にあり,仮性麻痺を呈していた.単純X線では上腕骨骨幹近位部に著明な仮骨形成と鎖骨骨折を認めた.関節造影で脱臼がないことを確認し,経過観察したところ,生下時には70゜以上あったと推測された外旋転位は,12歳時には約40°までに矯正され,ADL上の支障は全くなくなった.
 本症による上腕骨の回旋転位は矯正され得ることが確認された.さらに,複合関節としての肩関節を構成する諸要素の代償作用も加わり,著明な改善が起こったと推測された.従って,本症による転位に対する早期手術療法の適応はないと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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