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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻6号

1998年06月発行

文献概要

臨床経験

軟部組織の骨化を主体としたmelorheostosisの1症例

著者: 吉富啓之1 田中千晶1 四方實彦1

所属機関: 1京都市立病院整形外科

ページ範囲:P.783 - P.786

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 抄録:melorheostosisは本邦で73例の報告がある比較的稀な骨疾患である.われわれは軟部組織の骨化を主体とするmelorheostosisの1症例を経験した.症例は65歳男性.主訴は左殿部,左膝窩,左足部の腫瘤と疼痛である.20年前に他院にて左殿部の骨化した腫瘤を切除している.疼痛は軽快したが次第に腫瘤が増大し3年前に再び疼痛が出現した.骨代謝関係の電解質,ホルモンは正常である.脚長差はない.レントゲン写真上,左坐骨後面,大腿骨後面,膝窩に軟部組織内の骨化と左踵骨,立方骨,第5趾中足骨,趾骨の骨硬化と肥厚を認めた.骨シンチでは病変部に一致して取り込みを認めた.殿部骨化巣と踵骨骨隆起,左第5中足骨と趾骨の切除を行い,疼痛は消失した.病理組織では正常の構造をもつ非常に硬化した骨が認められた.病変はsclerotomeで左S1,2神経支配に一致していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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