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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻6号

1998年06月発行

文献概要

臨床経験

未治療のまま経過した成人クレチン症の1例

著者: 西山正紀1 二井英二1 杉浦保夫2 山崎征治3

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2金山クリニック 3上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.793 - P.796

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 抄録:今回われわれは,45歳まで放置されていたクレチン症の1例を経験したので報告する.患者は45歳,女性.約1年前より腰痛を認め,易疲労感も増強したため来院となった.現症では身長123cm,体重42kg,上肢長35cm,下肢長55cm,arm span 115cmで,四肢短縮型小人症を呈していた.顔面は浮腫状で,両眼開離,鼻根扁平,鞍鼻を認めた.甲状腺機能検査ではTSHの増加,T3,T4の減少をみた.X線所見では,脊椎ring apophysisの癒合不全,腸骨稜骨端核の癒合不全,Y軟骨の残存,大腿骨頭扁平化および頚部短縮,中手骨,中足骨の短縮などを認めた.早期治療を逸すると,低身長や知能障害だけでなく,関節症状を呈する可能性があり,中高年期では虚血性心疾患の危険性も指摘されている.早期発見と永続的治療が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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