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論述
三角線維軟骨複合体の手根骨付着部損傷について
著者: 西川真史1 相澤治孝1 新井弘一1 竹内和成1 小渡健司1 楠美智巳2 佐々木和広3
所属機関: 1むつ総合病院整形外科 2弘前大学医学部整形外科 3大館市立病院整形外科
ページ範囲:P.849 - P.853
文献購入ページに移動臨床的にTFCC損傷を疑って手関節造影やMRIを施行するがTFCCに異常を確認できず,2ヵ月間の保存療法を施行し,症状の持続した21例22関節に手関節鏡を施行した.TFCに異常は認めず,TFCC尺側周囲の滑膜の増生とTFCCを基部として手根骨尺側関節面に弁状の軟部組織の乗り上がりを認めた.これをシェーバーとパンチで切除し全例とも早期に症状消失した.切除した組織は線維軟骨であった.
今回報告した損傷はTFCCから手根骨関節面に向かう弁状組織で,切除後に三角骨関節面が尺側で欠損していたこと,切除組織が線維軟骨であったことから本来三角骨尺側に関節軟骨と連続して付着していたTFCCの一部が三角骨から剥離して関節問に乗り上がり,手関節尺側に障害を生じたと考えている.
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