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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻7号

1998年07月発行

文献概要

臨床経験

中高年のスキーによる大腿骨骨折

著者: 成重知花1 藤原稔泰1 近藤亜里1

所属機関: 1ゆきぐに大和総合病院整形外科

ページ範囲:P.899 - P.903

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 最近増加してきている中高年のスキーによる大腿骨骨折の症例を調査し,その特徴と予防法について検討した.対象は中高年(40歳以上)の大腿骨骨折19例である.中高年の大腿骨骨折の特徴は,40歳未満の26症例と比較すると,①他のスキーヤーと衝突して受傷した例が相対的に多い,②初級者が多い,③女性が多い,④右大腿骨が多い,⑤大腿骨近位部の骨折が多い,⑥骨幹部骨折が少ない,⑦中斜面での受傷が多い,⑧入院期間は長期となることである.受傷時にスキー板がはずれた者は27.3%と少なかった.手術治療が14例,保存療法が4例,近くの医療機関に搬送したのが1例であった.受傷前の日常生活レベルに復帰するのに平均4ヵ月を要し,1年以上経過しても完全に回復したのは34.4%に過ぎなかった.年齢と体力に見合ったゲレンデで滑り,適度に休みを取り,疲労する前にスキーを中止することが重要で,ビンディングもやや弱めに設定するのが安全と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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