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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻7号

1998年07月発行

文献概要

臨床経験

広範な硬膜外膿瘍を伴い両下肢不全麻痺を生じた腰椎化膿性脊椎炎の1例

著者: 村田雅明1 新宮彦助1 木村功1 那須吉郎1 塩谷彰秀1 米井徹1 橋口浩一1 馬場賢治1

所属機関: 1山陰労災病院整形外科

ページ範囲:P.909 - P.913

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 抄録:症例は65歳,女性.誘因なく腰部激痛が出現し,体動困難となり約1週間後に当院を受診した.初診時神経学的には異常はなく,単純X線像でL2/3の椎間腔の狭小化を認めた.MRIではL1からL4レベルにおよぶ硬膜外膿瘍を伴うL2/3,3/4の化膿性脊椎炎の像を呈した.入院後抗生剤投与と安静にかかわらず腰痛の改善なく,両下肢の筋力低下が出現した.このため入院5日後にL2/3,3/4の前方病巣掻爬固定術を施行した.術後は腰痛消失し,術後3ヵ月で下肢筋力も正常化した.術後3ヵ月のMRIで硬膜外膿瘍は消失していた.本症例のように膿瘍が広範に及ぶ場合は病巣を完全に掻爬することは困難である.しかし,炎症の発生源であるL2/3,L3/4椎間板を掻爬し,多くの炎症組織を取り除いて病巣を縮小したことにより,術後の抗生剤の使用で炎症を鎮静化しえたものと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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