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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻7号

1998年07月発行

文献概要

臨床経験

胸椎椎弓部より発生した孤立性骨髄腫の1例

著者: 中島新1 高井宏夫1 加治木秀隆1 南昌平2 高橋和久2 長尾孝一3

所属機関: 1栃木県厚生連石橋総合病院整形外科 2千葉大学医学部整形外科 3帝京大学市原病院病理部

ページ範囲:P.923 - P.927

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 抄録:胸椎椎弓部より発生した稀な孤立性骨髄腫の1例を経験し,手術する機会を得たので報告する.症例は59歳,男性.両下肢のしびれ,冷感が主訴であったが,次第に両下肢筋力低下をきたしたため入院した.神経学的には前𦙾骨筋以下の弛緩性麻痺を呈していた.単純X線像では明らかな異常はなかったが,MRIにて第4-5胸椎の後方要素を占拠し,脊髄を後方から圧排する腫瘍塊を認めた.骨シンチでは第4-5胸椎以外に集積はなく,第5胸椎椎弓より骨生検を行ったところ,病理診断は骨髄腫であった.術前の血液,免疫電気泳動検査では明らかな異常はなかった.手術は椎弓切除と可及的広範囲な腫瘍掻爬を行った.術後は化学療法を施行したが,術後6ヵ月の時点でMRIにて第5胸椎椎体部への腫瘍の進展が明らかとなり,放射線治療を行った.本症の長期経過の中には多発性骨髄腫へ発展していく場合が多く,今後も注意深い経過観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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