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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻8号

1998年08月発行

文献概要

シンポジウム 骨組織に対する力学的負荷とその制御―日常臨床に生かす視点から

尾部懸垂ラットモデルによる骨組織の反応

著者: 小玉嘉昭1

所属機関: 1東京大学医学部整形外科

ページ範囲:P.951 - P.956

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 抄録:骨代謝,骨形態,骨強度の維持には力学的負荷が必要であり,免荷による力学的負荷軽減,あるいは宇宙飛行での微小重力環境により骨量は著明な低下を来す.整形外科領域では,骨折治療での免荷や術後の長期固定などでこの骨量減少が見られるほか,骨折治癒過程において物理的刺激が深く関与していることが知られている.
 力学的負荷軽減による骨量減少は,骨形成の低下が主な病態であると考えられている.われわれは尾部懸垂ラットによる力学的負荷軽減モデルを用いた組織学的検討により,皮質骨において外骨膜に含まれる骨芽細胞機能の低下によって外骨膜側の骨形成が障害される結果,皮質骨量と骨強度が低下することを見出した.尾部懸垂ラットの海綿骨での骨量減少を防止させる薬剤はいくつか報告があるが,この皮質骨での骨量減少を防止させる有効な手段は見出されておらず,今後の課題であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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