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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻8号

1998年08月発行

文献概要

シンポジウム 骨組織に対する力学的負荷とその制御―日常臨床に生かす視点から

マイクロCTを用いた骨梁微細構造の評価および力学的特性との相関

著者: 内山徹1 谷澤龍彦1 村松日和2 遠藤直人1 原利昭3 高橋栄明1

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科 2新潟大学自然科学研究科 3新潟大学工学部機械システム工学科

ページ範囲:P.969 - P.974

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 抄録:ヒト海綿骨の力学的特性と骨量および微細構造との関連を検討した.ヒト椎体海綿骨部を一辺8mmに機械加工した立方体20個を対象とした.骨量の指標としてDXAおよびpQCTにて骨密度を求めた.micro-CTにより対象の連続断面像を撮影して,3次元微細構造指標として骨形態計測値(骨梁数(Tb. N),骨梁間隔(Tb. Sp)),connectivity density,fractal dimensionを求めた.同時に準静的非破壊的圧縮試験を頭尾側,内外側,前後の3方向において行い,力学的特性として弾性率を求めた.頭尾側方向の弾性率は他の2方向のそれに比べ有意に高かった.3方向の弾性率は骨密度と,3次元的微細構造指標は頭尾側方向を除いた他の2方向の弾性率と有意の相関を示した.3次元的微細構造指標間は有意の高い相関があった.3方向の弾性率の比較および3次元再構築画像より対象とした海綿骨は異方性を持つことが示された.本検討で求めた微細構造指標は構造複雑性の定量化には適していたが,構造異方性の評価には不十分と考えられた.海綿骨の力学的特性は骨量および3次元的微細構造指標に依存するが,微細構造指標として構造異方性を加味した評価がさらに必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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