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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻8号

1998年08月発行

文献概要

臨床経験

大腿神経に発生したlocalized hypertrophic neuropathyの1例―手術所見を中心に

著者: 杉木正15 竹田毅2 堀内行雄1 鎌田修博1 関敦仁1 矢部裕1 厚東篤生3 倉持茂4

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2慶應義塾大学医学部スポーツクリニック 3慶應義塾大学医学部神経内科 4慶應義塾大学医学部病理学教室 5荻窪病院整形外科

ページ範囲:P.1041 - P.1047

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 抄録:localized hypertrophic neuropathy(LHN)は,末梢神経の局所的腫大を主病変とし,その支配領域の進行性の筋萎縮を来す極めて稀な疾患である,本例はこれまでに全く報告のない大腿神経に発生した例である.症例は緩徐に進行する左大腿部の筋萎縮と筋力低下を主訴とする20歳女性である.筋電図と画像検査により,左大腿神経の中枢部に発生した腫瘍性疾患などが疑われ,手術を施行した.大腿神経は腸腰筋筋枝との分岐部より遠位で約5cmにわたり正常部の約3倍の太さに紡錐状に腫大していた.病理組織学的にはHE染色でonion bulb様円形構造を呈し,免疫染色ではS-100蛋白陰性,EMA陽性で,Schwann細胞でなく,神経周膜細胞の増生を示唆する所見であった.以上よりLHNと診断した.
 本疾患のclinical entityは不明な点も多いが,mononeuropathyを呈する疾患の鑑別にあたっては念頭におく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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