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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

論述

軸椎棘突起裂離骨折を伴った小児頚椎屈曲損傷の治療経験

著者: 松本守雄1 戸山芳昭1 千葉一裕1 市村正一1 鈴木信正1 藤村祥一1 福井康之2 里見和彦3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2大田原赤十字病院整形外科 3杏林大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1053 - P.1059

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 抄録:軸椎棘突起裂離を伴う小児頚椎屈曲損傷の6例(男児4例,女児2例,平均年齢11歳,1例は陳旧例)を報告した.全例,外傷による頚椎過屈曲を強制されていた.初診時,強度の頚部痛を全例に認めた.X線像ではC2-3の前方すべり,局所後弯を認めた.受傷後1~2ヵ月で軸椎棘突起先端に裂離骨片が出現し,CTでは棘突起先端に左右に分かれて存在していた.頚椎カラーによる保存療法が4例に,初期治療が行われず後弯の進行した2例に,C2-3の前方固定術およびC2-4の後方固定術が行われた.保存療法例ではC3椎体の横径成長とともに後弯の改善を認めた.治療成績はともに良好であった.
 本損傷はCT像などから,軸椎棘突起の裂離骨折を伴う頚椎屈曲損傷であると考えられる.頚椎過屈曲を強制された小児が激しい項部痛を訴えた場合,本症を疑って経時的なX線検査を行い,新鮮例では適切な外固定による保存療法を行えば,良好な結果が得られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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