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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

橈骨頭骨折の治療経験―PLLAピンを用いて

著者: 大塚健一1 鎌田真彦1 吉沢夏人1 高岸憲二2

所属機関: 1公立藤岡総合病院整形外科 2群馬大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1067 - P.1070

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 抄録:今回われわれはポリ-L-乳酸ピン(PLLAピン)を用いて,2例の橈骨頭骨折を治療する機会を得たので報告する.症例1は20歳男性で,スノーボードをしていたときに左肘伸展位,左手関節背屈強制位で転倒して受傷した.X線所見で左橈骨頭の陥没を認め,手術を施行,PLLAピン3本にて固定した.術後2週より可動域訓練を開始した.術後約12週で肘可動域の左右差はなくなった.症例2は51歳女性で,仕事中に転倒し左肘を強打し,受傷した.X線所見で左橈骨頭に骨折を認めたため手術を施行,PLLAピン2本にて固定した.術後1週より右肘可動域訓練を開始した.術後約4週で肘可動域の左右差はなくなった.
 PLLAピンは生体吸収性材料のため抜釘が不必要,関節軟骨からの刺入が可能など多くの利点がある.金属材料に比べて強度が劣るが,早期可動域訓練を求められる橈骨頭骨折の治療には有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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