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コンピューター・シミュレーション
著者: 菅野伸彦1
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科
ページ範囲:P.1080 - P.1082
文献購入ページに移動シミュレーションとは模擬実験のことで,実際に物事を体験する前に結果を予測するために実際の条件をできる限り模倣して行われる.今まで整形外科分野では,人工関節の摩耗試験のように機械で行うものと,物体の歪み,変位,応力などをコンピューターを使って計算で行うものがあった.計算機の機能の向上とともに,十数年前なら大型計算機でしか実現できなかったシミュレーションが,手元のパソコンで簡単にできるようになりつつあり.コンピューターシミュレーションは今後整形外科でもますます活用されるようになる技術である.娯楽の分野では,フライトシミュレーションなど実際の飛行機操縦を模擬体験するようなゲームに数多く使われたり,株式市場や返済ローン,建築のシミュレーションなど自然科学以外の分野でもコンピューターシミュレーションは手軽に利用されるようになっている.フライトシミュレーションなどは,実際操縦訓練にも使用でき,教育の分野でも非常に便利な技術である.整形外科でもCTやMRIなどの画像データからコンピューター上で解剖学的モデルを作り,手術のシミュレーションを行うことのみではなく,術中支援,術後成績の解析,整形外科手術の教育訓練と多岐にわたる活用が可能である.そこで,これらのコンピューター技術の整形外科における活用法と今後の展望について記載する.
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