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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

臨床経験

初診時診断困難であった下位頚椎脱臼骨折の検討

著者: 大仲良仁1 林浩之1 須田洋1 宍戸隆秀1 長谷川貴雄1 佐藤啓二1

所属機関: 1愛知医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1107 - P.1110

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 抄録:下位頚椎脱臼骨折は,その解剖学的特性よりX線学的診断に難渋することがある.1992年以降,初診時に確定診断に至らなかった本疾患4例について調査し,診断上の問題点につき検討した.全例男性で,受傷時年齢は平均42.8歳(31~55歳)であり,損傷レベルはC6/7が3例,C7/T1が1例であった.初診時の臨床症状として,全例が頚部痛を訴えたが,神経学的には上肢のしびれ感を3例に認めたのみで,体幹,下肢の神経障害を呈した例は皆無であった.初診時全例に頚椎2方向単純X線撮影を施行していたが,確定診断には至っておらず,受傷後平均7.5週(1~23週)後にMRI等で診断されていた.下位頚椎脱臼骨折の初期診断を困難にする要因は,X線学的診断が困難な部位であることのみならず,神経症状が軽微であったこと,合併損傷が存在したことであった.初期に確定診断を行うために,頚椎2方向単純X線撮影に加え,斜位撮影が有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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