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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

臨床経験

巨大な腫瘤を呈した肩峰下滑液包炎の1例

著者: 高山景範1 白井康正1 伊藤博元1 橋口宏1 井出勝彦1 水江史樹1 丸山晴久1

所属機関: 1日本医科大学整形外科

ページ範囲:P.1111 - P.1115

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 抄録:巨大な腫瘤を呈し軟部腫瘍を思わせた,多数の米粒体を含む肩峰下滑液包炎の1例を経験したので報告する.症例は49歳男性で,右肩関節の腫瘤を主訴に来院した.単純X線は正常で,シンチグラム(Tc-HMDP)では局所に集積の亢進を認めた.MRIではT1強調画像で滑液包は中等度の均一な信号領域を,T2強調画像では高信号領域のなかに蜂巣状の低信号領域を認めた.針生検で異型細胞はなく,細菌培養は陰性で,ツベルクリン反応も陰性であった.手術にて滑液包を摘出した.術後2年を経過し,局所再発はなく,右肩関節機能も正常である.滑膜の組織所見は,絨毛状増殖と炎症性細胞の浸潤を認めた.米粒体はフィブリンが主体であるが,剥脱滑膜上皮細胞や膠原線維が混在し,多様な像がみられた.滑膜に軟骨化生や軟骨細胞はみられず,本症の病態は慢性滑膜炎と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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