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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

臨床経験

手根管部腫瘍により生じたTrigger wristの1例

著者: 黒石昌芳1 坪田次郎1 坂田敏郎1 佃政憲1 橋本規1 鵜飼和浩2

所属機関: 1高砂市民病院整形外科 2兵庫県立看護大学

ページ範囲:P.1117 - P.1119

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 抄録:手根管部に発生した腱鞘線維腫によるtrigger wristの1例を経験した.症例は24歳男性,主訴は左中指と環指の弾発である.弾発現象は,中指を自動的に屈曲位から伸展すると中指および環指に認めるが,他動的に屈伸しても弾発現象は認めなかった.術中所見では,手根管部を開放すると正中神経および浅指屈筋腱には異常は認めなかったが,中指の深指屈筋腱から発生した小指頭大の腫瘍を認め,それが弾発の原因と考えられ,腫瘍と中指深指屈筋腱の一部を含めて切除した.術後1年の現在,症状は消失し腫瘍の再発も認めていない.trigger wristは屈筋腱やその腱鞘より発生した腫瘍によるものが多く報告されている.臨床的にも,手根管症候群を合併することが多く術前に手根管部の精査が必要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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