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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

臨床経験

移動性を有した脊柱管内epidermoid cystの1例

著者: 山崎健1 遠藤威1 村上秀樹1 小成嘉誉1 嶋村正1

所属機関: 1岩手医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1137 - P.1140

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 抄録:症例は40歳女性,主婦.数年前より腰殿部痛および下肢痛を自覚した.27歳時,腰椎麻酔下に帝王切開を受けた既往がある.下肢痛が増強し歩行困難となったため当科を紹介されて受診した.脊髄造影により第3,第4椎間板高位を約2cm上下に移動する騎袴状陰影欠損を認めた.MRIでは腫瘍像はT1,T2強調像において,いずれも高輝度を呈し,造影MRIでは造影されなかった.硬膜内腫瘍の診断にて,第3腰椎椎弓の縦割展開,椎弓再建術を併用して腫瘍摘出を行った.腫瘍は一本の馬尾の周囲から発生し,馬尾を巻き込み,淡黄色で,楕円状の被膜を有する弾性軟の腫瘍であった.腫瘍は馬尾の弛緩を伴い2cm移動した.病理組織はepidermoid cyst(類上皮嚢腫)であった.術後2年の現在,腰殿部痛,下肢痛は消失している.腰椎に発生し,原因が腰椎穿刺と考えられ,移動性を有する稀なepidermoid cystの1例を報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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