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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻9号

1998年09月発行

文献概要

臨床経験

乳児期より19歳まで経過観察した先天性無痛無汗症の1例

著者: 伊藤弘紀1 沖高司1 荒尾和彦1 鬼頭浩史1 野上宏1

所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー中央病院整形外科

ページ範囲:P.1141 - P.1144

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 抄録:乳児期より19歳まで経過観察を続けた先天性無痛無汗症の1例につき報告する.本症例は出生後に頻回の発熱があり,この時に無汗であったことから,3歳時に本症と診断された.5歳時,左股関節脱臼に対し観血的整復術を施行した.また,小学校入学時より車椅子での生活を指導した.骨折の既往は11歳までで,受傷回数は比較的少なかった.左股関節は術後早期より破壊が進行し,他の四肢関節も変形が徐々に進行した.現在は両肩・左肘関節以外の四肢大関節はCharcot関節を呈している.本症は,全身性の無痛覚・無汗症に精神発達遅滞を合併するのが特徴である.整形外科的には骨折,脱臼,骨髄炎,Charcot関節などが問題となり,対症的な治療が行われる.また,これらの発症予防としての生活指導は,一定の基準を設けることが困難で,症例ごとに家族を交え十分に検討する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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