icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻1号

1999年01月発行

文献概要

手術手技シリーズ 最近の進歩 手の外科

特発性腱断裂―手関節部の伸筋腱皮下断裂に対する減張位早期運動療法について

著者: 石黒隆1 池上博泰2

所属機関: 1いしぐろ整形外科 2慶応義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.41 - P.46

文献購入ページに移動
 抄録:特発性腱断裂として関節リウマチ,キーンベック病,変形性遠位橈尺関節症などによる手関節部での伸筋腱の皮下断裂がある.断裂腱の断裂部は腱の摩耗や変性が起きており,再建としては遊離腱を用いての架橋移植,残存腱を用いての腱移行あるいは隣接指への端側縫合のいずれかが選択される.
 腱移植や腱移行術後は手関節背屈,MP関節軽度屈曲位に固定する従来の後療法を行なわざるを得ずMP関節の屈曲制限をきたしていた.われわれは断裂腱を隣接指に端側縫合した上でテーピングにより減張位を保持する早期運動療法を考案した.術後に手の使用が可能で隣接指と同じかそれに近い伸展可動域が全例に得られ,伸展力に不満を訴えるものもなくほぼ正常な屈曲可動域が獲得されている.残存する腱が一本あれば本法は可能で,術直後からの積極的な指の屈伸運動によって筋の萎縮を最小限におさえることのできる優れた方法といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら