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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻1号

1999年01月発行

文献概要

臨床経験

環軸椎関節貫通螺子固定に併用したチタンケーブルのゆるみ

著者: 阿部栄二1 島田洋一2 佐藤光三2 森田裕美2 石澤暢浩3 楊国隆3 荻野正明4 江畑公仁男4

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科 2秋田組合総合病院整形外科 3山本組合総合病院整形外科 4湖東総合病院整形外科

ページ範囲:P.73 - P.77

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 抄録:関節貫通螺子でアラインメントが保たれ,骨癒合しているにも関わらず,Magerl法で環軸椎間固定を行った14例において,その71%に椎弓間および移植骨を固定したチタンケーブルにゆるみを認めた.ケーブルのゆるみによる症状は全くなく,ゆるみは術後2~4カ月の間に出現し,Brooks法(0/3)よりGallie法で91%(10/11)と多く見られた.また,ゆるみはDanek cableで67%(6/9),Sofwireで80%(4/5)に,リウマチ性環軸椎亜脱臼で80%(4/5),非リウマチ性のもので63%(5/8),C2歯突起の遊離(+)で80%(4/5),遊離(-)で67%(6/9)にみられた、椎弓間固定ケーブルと移植骨固定ケーブルを完全に分離して用いたGallie変法の9例では,移植骨固定ケーブルのゆるみの方が椎弓間固定ケーブルのゆるみに比べて大きいものが67%(6/9)あった.ケーブルのゆるみは移植骨萎縮例で75%(9/12)に,骨萎縮のない2例では1例にみられた.また,C2棘突起の骨萎縮例では71%(5/7)に,骨萎縮のない4例では50%にゆるみを認めた.以上の点から,ケーブルのゆるみは移植骨とC2棘突起の骨萎縮とケーブルの弾性変形による持続的な骨の圧迫が関連すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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