icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻1号

1999年01月発行

文献概要

臨床経験

小児大腿骨遠位骨端部類骨骨腫の1例

著者: 川原英夫1 和田真1 安藤正郎1 馬場久敏1 今村好章2

所属機関: 1福井医科大学整形外科学講座 2福井医科大学病理学第1講座

ページ範囲:P.103 - P.106

文献購入ページに移動
 抄録:成長期に骨端の骨硬化性病変を見ることは稀である.今回われわれは成長期の大腿骨遠位骨端部に発生した類骨骨腫の1例を経験したので報告する.症例は11歳女児で,夜間に増強する右膝関節痛を主訴として来院した.単純X線写真,CTで右大腿骨遠位骨端部に周囲と中心に骨硬化像を伴う境界明瞭な直径6mmの円形の透亮像を認めた.MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像で中心に低信号域を伴った高信号,骨シンチグラフィーでは病巣に一致して集積を認めた.血液生化学検査は基準値内であった.抗生剤の投与により症状は軽減せず,消炎鎮痛剤の投与により疼痛は軽快した.確定診断と治療を目的として病巣掻爬を施行した.Brodie骨膿瘍も疑われたが,培養で菌が検出されなかったことや,病理組織診断,さらにCT像などから最終的に類骨骨腫と診断した.病巣掻爬により術前の疼痛は完全に消失し,2年経過した現在,症状の再発は認められない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら