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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻10号

1999年10月発行

臨床経験

第1胸椎転移性脊椎腫瘍に対する胸骨鎖骨部分切除進入法による前方固定の経験

著者: 上金伸一1 長汐亮1 近藤真1 井上正弘1

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院整形外科

ページ範囲:P.1273 - P.1276

文献概要

 抄録:第1胸椎転移性脊椎腫瘍に対してSundaresanらが報告した胸骨鎖骨部分切除進入法による前方除圧固定を行った.症例は67歳の女性で,左上肢尺側の疼痛およびシビレを主訴とした.神経学的に左C8,T1領域で知覚低下,両下肢腱反射亢進を認めた.MRIで腫瘍性病変がT1左椎弓根から椎体,脊柱管内に浸潤していた.既往に胆嚢癌の手術歴があり,T1転移性脊椎腫瘍による左C8,T1神経根障害の診断で手術を行った.左胸鎖関節を含む胸骨柄2/3と左鎖骨近位3cmを切除し椎体を露出した.腫瘍を可及的に摘出し,チタンケージに切除した鎖骨を充填し移植,C7-T2間をORIONプレートで固定した.病理診断は胆嚢癌の骨転移であった.術前の疼痛,シビレは消失した.骨切除による肩関節症状はなかった.本進入法は術野が広く,上位胸椎の展開には有用な進入法と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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