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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻11号

1999年11月発行

文献概要

シンポジウム 日本における新しい人工股関節の開発

新しい人工股関節ハイドロキシアパタイト含有ガラスチタン(HAPG Profile)

著者: 岩田久1 丸野重雄1 山田健志1 伊藤晴夫1 石川知志1 長谷川幸治1 石黒直樹1

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1311 - P.1318

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 要旨:ハイドロキシアパタイト(HA)はbioactiveな材料で,骨と高い親和性を有している.また,チタン-6アルミ-4バナジウム(Ti-6AI-4V)は軽量で生体障害発生も少ない.こうした点からbioactiveなHAをTi製人工股関節ステムの上にプラズマスプレー法でコーティングしたセメントを使用しない人工関節として臨床に供せられている.しかし,この方法ではコーティング時におけるHAの分解,HAとTiの長期的な密着性,至適なHAの厚さが得られないなどの問題が指摘されている.事実,本ステムの抜去症例では,HAのTi表面からの剥離も多く認められている.筆者らの開発せるHA含有ガラスチタン(HA-G-Ti)複合体は,その中に含まれるガラスはTiと強固に密着接合し,HAとは溶解反応せず生体内で長期に安定である.HA-G-Ti複合体の骨への移植後のinterfaceの検討で,力学的にも生化学的にも初期固定で満足する結果を得,本材を人工股関節Ti製ステムに応用した.人工股関節を作製,臨床治験を行った62症例の半年~1年半の経過観察では良好な初期固定も得られ,結果は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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