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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻11号

1999年11月発行

文献概要

論述

外側大腿皮神経腸骨部の肉眼解剖学的検討―腸骨採骨により生ずる外側大腿皮神経障害に関して

著者: 村田泰章1 高橋和久1 山縣正庸1 粟飯原孝人1 高柳建志1 田内利幸1 畠山健次1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1355 - P.1358

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 抄録:解剖実習用の遺体標本65体119側を用いて外側大腿皮神経の走行を観察し,従来行われている腸骨からの移植骨採取における安全性を検討した.開腹後,内臓,後腹膜を除去して外側大腿皮神経を剖出し,外側大腿皮神経の走行を観察した.検討項目は,①外側大腿皮神経が腸骨稜を通過する点と上前腸骨棘との距離,②腸骨筋前方での外側大腿皮神経の走行位置とした.その結果,11%は上前腸骨棘よりも後上方の腸骨稜を通過し,さらに2%が上前腸骨棘より20mm以上後上方を通過していた.また,腸骨稜に沿い,上に凸のカーブを描いて走行するタイプが11%存在した.今回の調査結果から,十分注意して採骨の位置を決めて,腱膜切離,牽引操作を行っても,術後約10%に外側大腿皮神経障害が生じうる可能性があることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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