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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻11号

1999年11月発行

文献概要

論述

骨粗鬆症性椎体骨折患者の予後調査

著者: 濱本秀樹1 井口哲弘1 栗原章1 藤原朗1 山崎京子1 佐藤啓三1 笠原孝一1 松本英裕1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科

ページ範囲:P.1363 - P.1367

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 抄録:骨粗鬆症の椎体骨折で入院加療した48例(平均74.7歳)の患者を対象に予後調査を行った.平均約56カ月の追跡調査で,約1/3の患者がすでに死亡していた.調査時に生存していた群は,死亡群より退院時の歩行能が有意に高かった.退院時に介護不要であった群は,要介護群と比べて有意に調査時のADL点数が高かった.また,単椎体骨折群は多椎体骨折群より,有意に退院時の歩行能力が高く,追跡調査時のADL点数も高かった.退院後の骨折増加群と不変群を比較すると,増加群では腰痛点数が有意に高かった.しかし,日常的な運動,飲酒,喫煙などの生活習慣は今回の調査では予後に関与していなかった.
 以上の結果から,骨粗鬆症による脊椎椎体骨折後の患者では,受傷後の歩行能力の低下と椎体骨折数の増加がその予後を悪化させる因子と考えられ,その予防が重要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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