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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻11号

1999年11月発行

文献概要

ついである記・40

モンゴル帝国の旧都カラコルム

著者: 山室隆夫12

所属機関: 1京都大学 2国際整形災害外科学会

ページ範囲:P.1378 - P.1379

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 蒙古といえば,多くの人が直ちに成吉思汗(チンギス・ハーン)を連想するであろう.12世紀の中葉に蒙古の大平原に生まれた風雲児テムジンは60余歳で死去するまでの一代で中央アジアに大帝国を築き上げ,大ハーンに推戴された.これがチンギス・ハーンである.その後,100年近くに亘って彼の子孫は帝国の拡張を続け,「元」の世祖となったフビライ・ハーンの時代には東は朝鮮半島から西は中部ヨーロッパ,北はシベリアから南は北インドにまで及ぶ史上空前絶後の超大帝国を造り上げた.強大な騎馬軍団が世界を席捲していった様は想像するだに痛快であるが,侵略された側からみれば世にも恐ろしい軍団であったことだろう.
 そのモンゴル帝国の第2代皇帝オゴデイはモンゴル大平原のほぼ中央に当たるカラコルムに都を建設した.1235年のことであった.マルコ・ポーロの「東方見聞録」によれば,当時のカラコルムは壮麗な宮殿が軒を連ね,東西の文物や民族が集散する一大国際都市であったという.しかし,第5代皇帝フビライ・ハーンが都を大都(現在の北京)に遷して以来,カラコルムは急速に衰退し,今では当時のものは殆んど何も残っていない大草原と化している.私達は昨日からそのカラコルムを目指してきたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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