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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻11号

1999年11月発行

文献概要

臨床経験

圧迫優位側の反対側に神経根痛を生じた頚部椎間板ヘルニアの1例

著者: 野尻賢哉1 鎌田修博1 笹崎義弘1 牧田聡夫1 三上裕嗣1 木内準之助1

所属機関: 1けいゆう病院整形外科

ページ範囲:P.1411 - P.1414

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 抄録:われわれは圧迫優位側の反対側に神経根痛を伴った頚部椎間板ヘルニアの1例を経験し,手術により良好な結果を得たので報告する.症例は35歳男性で,主訴は右上腕痛であった.保存的治療を行うが症状が改善せず,1997(平成9)年5月に精査加療目的で入院した.入院時,左上肢に軽度の知覚障害を認めたが,筋力,腱反射は正常であり,MRIでC5/6高位の左側傍正中に椎間板ヘルニアを認めた.頚椎持続牽引を行うも症状が改善しないため,脊髄造影,椎間板造影を施行した.椎間板造影では左上腕にのみ放散痛を生じ,主訴の再現痛は起こらなかった.症状が改善しないため,同年6月にC5/6の前方除圧固定術を行った.術中,左側傍正中に浅層下ヘルニアを認めたが,右側にはヘルニアは認めなかった.術後直ちに主訴は消失し,術後1年6カ月の現在も痛みはない.圧迫優位側の反対側に神経根痛を生じた原因を,われわれは神経根へのtethering作用と考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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