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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻11号

1999年11月発行

文献概要

臨床経験

開放性小菱形骨背側脱臼の1例

著者: 田中素成1 面川庄平1 高岡孝典1 鈴木順三1 米井辰也1 玉井進2

所属機関: 1医真会八尾総合病院整形外科 2奈良県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1415 - P.1418

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 抄録:症例は27歳男性.仕事中,プレス機械に両手を挟まれ,当院に救急搬送された.来院時,左手は手背と手掌に開放創がみられた.単純X線上,第4,第5中手骨骨折と小菱形骨の背側への脱臼を認めた.徒手整復が困難であったため,背側より縦切開を加えて観血的に脱臼を整復し,Kirschner鋼線2本で大小菱形骨,舟状骨,第2中手骨を固定した.術後は6週でKirschner鋼線を抜去し,理学療法を開始した.術後1年6カ月の現在,MRIで小菱形骨の壊死は認めず,小菱形骨周辺に軽度の圧痛を訴えるが,不安定性は認めない.手関節,指関節の可動性は良好である.
 小菱形骨脱臼は稀であり,本邦報告例は少ない.本症例の受傷機転は,前腕軽度回内,手関節掌屈位で第2中手骨骨頭からの軸圧が加わって生じたと推測された.解剖学的には小菱形骨は楔状で背側面が掌側面より2倍大きい形状をしており,背側に脱臼しやすい原因となっていると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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