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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻12号

1999年12月発行

文献概要

論述

50歳以下で施行されたセメント型全人工股関節の10年以上成績―ステムのX線学的評価

著者: 稲尾茂則1 松野丈夫1 後藤英司1 寺西正1 高桑昌幸1

所属機関: 1旭川医科大学整形外科

ページ範囲:P.1493 - P.1498

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 抄録:1989年2月までに,各種股関節疾患に対して50歳以下でセメント型全人工股関節置換術を行った10年以上経過例のステムのX線成績を調査した.症例は45例49股で,手術時平均年齢は42歳(20~50歳),平均経過観察期間は14年(10~22年)であった(経過観察率98%).大腿側セメント手技は,22股に第1世代が,27股に第2世代以降の改良手技が使用された.機械的弛みは,第1世代セメント手技による2股のみで,術後6年と9年に確認された.Osteolysisは32股(68%)に見られたが,特に改良セメント手技群ではステム近位3分の1部までに限局する傾向にあった.機械的弛みと再置換を終点としたステム固定に関する調査時における失敗率は,第1世代セメント手技では13.6%,改良手技では0%であった.セメント型ステムは青壮年層でも現行の正しい手技で挿入されれば,少なくとも10~21年の範囲で良好な固定が期待できることが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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