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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻12号

1999年12月発行

文献概要

論述

脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第1報)―脊椎退行性疾患の身体症状に影響する精神医学的問題の検討

著者: 佐藤勝彦1 菊地臣一1 増子博文2 丹羽真一2

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科 2福島県立医科大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.1499 - P.1502

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 抄録:脊椎・脊髄疾患を有する症例における精神医学的問題について調査した.精神医学的問題を合併している症例では,整形外科疾患の内容に関わらず,不眠,抑うつ,およびイライラ感といった非特異的な精神症状を高率に合併していた.脊椎・脊髄疾患の身体症状に影響を与えていた精神医学的問題の内容は様々であった.気分障害や不安障害に分類される精神医学的問題により身体症状が影響されている症例では,精神科での治療を併用することで身体症状の軽快が容易に得られた.しかし,身体表現性障害,適応障害,および人格障害に分類される精神医学的問題により身体症状が影響を受けている症例では,整形外科と精神科の両科での治療を行っても身体症状を軽快させることは困難であった.したがって,脊椎・脊髄疾患に合併している精神医学的問題の内容によっては,手術療法を回避することが妥当と思われる症例が存在している可能性に留意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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